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不完全燃焼、恋愛模様 部活も終わり、部員達もちらほら帰りはじめた頃、千歳は白石に先ほどの言葉の意味を聞いてみる事にした。 一年はまだコートの後片付けをしていて、部室に残っているのは白石と千歳と同じ三年のレギュラーの三人だけだった。 「白石」 「ん?」 「さっき言いよった事ばってん」 「さっき?」 「ほら、惚れたら負けなんて嘘や、って」 「ああ」 「あれ、どういう意味ね?」 それを聞いていた仲間が口を挟む。 「なんやなんや~、モテモテなお二人さんは会話の次元が違うなあ」 「次元が違うて、俺が言うたんやなくて、白石が言ったとよ」 「せやから、惚れたら勝ちやなんて、普通言わへんで?」 「勝ちとは言うてへん」 白石が苦笑する。 「だって負けやないなら勝ちやろ? 俺はあかん。好きになったらもう駄目や。寝ても覚めてもその子の事ばっかし考えよる。もし俺の彼女になってくれんのやったら、二股かけられてもええてまで思てまうもん」 「アホやなあ。そこまで考えんやろ、普通」 「せ~や~か~ら! お前ら二人はモテない男の気持ちが分からんねん! お前らに好きや言われたら、大概の女子が即OKするやろ! あ~、嫌やわ~。男前っちゅーんはこれやから。二人ともいっぺんフラレてまえっ!」 そう捨て台詞を残し、ペンペンとお尻を叩くというベタなボケをかまして友達は部室から去って行ってしまった。 「なんやあいつ、えらい荒れとんな。お尻ペンペンはないやろ」 「ーーー白石、話の途中ばい」 「ああ……っちゅーか、お前用があるん違うんか?」 「あ! そうやった。門の所で待っとってって……今何時?」 慌てて立ち上がる千歳に、白石は腕時計に目をやる。 「7時40分」 「いかん、急がんと! 白石、明日話すばい。それじゃあお疲れ!」 「おお、気ぃつけて帰り」 バタバタと出て行く千歳を見送ると、白石はクスリと笑った。 「あいつもアホやなあ。汐屋の事が好きなんやったら、律儀に女の子待たんと断ればええのに」 千歳が急いで行くと、校門の脇に少女が立っていた。 「ごめん、遅くなって」 「ううん、全然大丈夫や! ご、ごめんな。無理言って」 「いや」 「あっ! タオル、ありがとう。めっちゃ可愛くて、すっごい気に入ったわ! ほんまにもろてええの?」 「そらあ、あんたにやったとやけん、もらってくれんと困るたい……えっと、それで、話しって何?」 微妙な空気が流れる中、千歳の言葉に少女はピクリと肩を震わせた。 「あ、うん。あの、えっと……公園で話さへん?」 「ああ、よかよ……」 そして歩き出した千歳の少し後ろを、少女は黙ったまま付いて歩いてきた。 千歳はさきほど部室で仲間が言っていたように確かにモテる。 こういう雰囲気は慣れていたし、これから何を言われるかも十分理解していた。 答えはもちろん決まっていたのだが、少しだけ揺れていた。 汐屋が白石に渡したラブレター。 白石が珍しく一緒に帰ろうと言ってきたのは、もしかしたら汐屋と付き合う事になったと告白するためだったのではないか。 公園へ着くまでの数分で、千歳は色んな事を考えた。 部活中はテニスの事しか考えずに済んだのだが、こうやって冷静になれば全体像がぼんやりと見えて来る。 足が止まる。 顔を上げると、いつの間にか学校の近くの大きな公園に到着していた。 辺りはすっかり夜で、昼間とは違って風が少しだけ冷たい。 「あの……ち、千歳君」 緊張がこちらにまで伝わってきそうな少女の声に、千歳は優しい目を向ける。 「何?」 「あの……えっと……そのーーー」 告白などしたことのない千歳は、一体どれほどの勇気が必要なのか分からない。 だが、毎回自分と対峙する少女達の震えと紅潮した顔を見ていると、それが膨大なエネルギーを要する事なのだろうと、なんとなく理解できた。 こんなにまでして思いを告げてくれるのだから、断る度に申し訳ないと思う。 だからといって告白してくれる子全員と付き合っていたらとんでもない事になってしまうし、やはり自分も好きな子とでなければ付き合う事は出来ない。 それなのにーーー 白石と汐屋の顔がチラチラと千歳の脳裏を掠める。 「う、うち。千歳君の事、す、好きっ……やねん……」 「ーーーうん」 「そ、それでなっ! そっ、その……もし、良かったら、うちと……付き合うてくれへんやろか?」 「ーーー」 「ーーー」 付き合うとは何だろう。 どうすればいいのだろう。 千歳は混乱していた。 自分が汐屋の事を好きでも、汐屋は白石の事が好き。 白石から自分へと汐屋の気持ちを向けさせられる自信は無い。 もし、自分がこの少女と付き合ったら、いつかこの子の事を好きになれるだろうか。 ーーーー汐屋より? 静かな公園の中、千歳は悩んだ。 今まで告白された中で、一番真剣に考えた。 目の前でぐっと地面と睨めっこをしながら自分の返事を待つ少女を見つめる。 汐屋より少し背の低い少女。 色白で可愛らしい顔をしている。 汐屋はどっちかって言ったら、綺麗な感じやね…… 「あ……」 そこで千歳は気がついた。 先ほどから汐屋とこの少女を比較している事に。 そんな状態で告白を受け入れて、上手く行くはずなどない。 やっぱり汐屋が好きなのだ。 諦められるなら、こげん悩む訳なかもんなあ。 「そらそうたい……」 「千歳君?」 ボソリと呟いた千歳に、少女が顔を上げて不思議そうにじっと見る。 「ごめん。好きって言うてくれるとは嬉しかばってん、俺、めちゃくちゃ好きな子のおるけん、あんたとは付き合えん……マジでごめん」 「っ……そ、その好きな子って、千歳君の彼女?」 「いや、俺の片思い」 「あの、う、うちのこと知らんから駄目なんやろ? せやったら、ちょっとだけでもええから付き合ってみてくれん? うちの事、今すぐ好きになってなんて言わへんから、うちの事知ってほしいねん。それでやっぱりその子の事が忘れられんかったら、うちも諦める!」 「ーーー」 泣きそうな顔で必死に言う少女に、千歳は一瞬怯んだ。 確かに、この少女の事を千歳は知らない。 いや、同じ学校なのだから顔くらいは知っていたが、話した事など先日の球技大会まで一度も無かった。 少女の言う事も一理あるかもしれない。 もし、少女の事を好きになれたなら、汐屋と白石の関係も何事もなかったように気にしなくなるかもしれない。 でも…… 「俺がもし、あんたん事好きになれんかったら、余計に傷つくやろ?」 千歳の言葉に、少女は激しく首を左右に振った。 「平気! うち頑張るから! 絶対千歳君に好きになってもらえるようにするから! それでも駄目やったら諦めるけど……それでも千歳君がちょっとの間でも彼氏になってくれんのやったらかまへん!」 こんなにも自分を好きだと言ってくれている。 今まではどんなに必死になられても断っていたが、やはり今回千歳の心はダメージを負っているらしい。 少女の言葉に惑わされそうになる。 「ーーーやっぱりいきなり付き合うのは無理やし、あんたの事傷付けるのも嫌やけん……」 「それやったら友達は?」 「え?」 「友達になってくれん?」 「友、達……」 「そう、友達。もっと千歳君と仲良うなりたいねん。彼女面とか絶対せーへんし、友達やったらなってくれる?」 「ーーーうん……まあ、それなら別によかよ」 「ほ、ほんまにっ!?」 大喜びで千歳の手を握って飛び跳ねる少女。 その姿を見て、千歳は少しだけほっとした。 もしかしたら好きになるかもしれない。 そう、思ったのだ。 続く… お読みくださり、ありがとうございます。 千歳が可哀想になってきた(笑) 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.13
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《完全燃焼》 イベントカード 使用コスト0/発生コスト1/赤 [メイン/自分] このターン、アプローチまたは妨害に参加したすべてのキャラは、ターン終了時に手札に戻る。 (燃え尽きた・・・・・・。) けいおん!で登場した赤色のイベントカード。 そのターンにアプローチ・妨害したキャラ全てはターン終了時にバウンスする効果を持つ。 アプローチしたキャラは手札に戻ってしまうが、相手の妨害を躊躇させることができる。 あと一歩の勝利のところで使いたいが、その時は手札に戻ることを承知で妨害してくるため意味は薄い。 使いこなすにはなんらかのコンボが必要である。 カードイラストは第9話「新入部員!」でのワンシーン。フレーバーはその時の律のセリフである。 Q A Q.アプローチや妨害で捨て札置き場に置かれたキャラも含まれますか? A.いいえ、含みません。ターン終了時に場に残っているカードだけが対象になります。 収録 けいおん! 01-109 パラレル 編集
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《完全燃焼》 イベントカード 使用コスト0/発生コスト1/赤 [メイン/自分] このターン、アプローチまたは妨害に参加したすべてのキャラは、ターン終了時に手札に戻る。 (燃え尽きた・・・・・・。) けいおん!で登場した赤色のイベントカード。 そのターンのアプローチ・妨害に参加した全てのキャラをターン終了時に手札に戻す効果を持つ。 アプローチしたキャラは手札に戻ってしまうが、相手の妨害を躊躇させることができる。 あと一歩の勝利のところで使いたいが、その時は手札に戻ることを承知で妨害してくるため意味は薄い。 使いこなすにはなんらかのコンボが必要である。 カードイラストは第9話「新入部員!」でのワンシーン。フレーバーはその時の律のセリフである。 Q A Q.アプローチや妨害で捨て札置き場に置かれたキャラも含まれますか? A.いいえ、含みません。ターン終了時に場に残っているカードだけが対象になります。 収録 けいおん! 01-109 パラレル
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いつも見とるだけっちゅーとは、俺んとってはなんや気持ちの悪かもんたい。 ばってん、気持ちを伝えっとはもっと難しか。 なんや知らんばってん、あいつの事見とっだけで何も出来ん自分が情けなか男に思えてきて、どうしようもなかとよ…… 勇気。 男らしく勇気出せっち、背中ば誰かに叩かれんと、駄目んごたる。 テニスの試合やったらこげんこと無かとに、どうしてこう、上手く行かんとやろか? 不完全燃焼、恋愛模様 千歳千里は仏頂面で窓の外を睨んでいた。 見えるのは学校のグラウンド。 そこで繰り広げられるのは球技大会のソフトボールの試合で、千歳の視線の先には一人の少女がいた。 好きだと気付いたのは最近。 去年九州から千歳のクラスに転校してきたその少女は、熊本出身である千歳と話しが合った。 とは言っても千歳が一方的に話しかけてはそれに少女が答える。という図式ではあったが…… 物腰の柔らかな少女は人懐っこい大阪人とすぐに馴染んだが、それでもどこかしら気を遣っているように千歳は思えた。 自分のように相手が誰であろうと容赦なく九州弁を使う千歳。 逆に方言を使わない少女は、千歳と話す時だけは方言を使う。 おかげで少女との壁が他の連中より薄い気がして、少しだけ自分が特別な存在かもしれないと何となく嬉しかった。 高校3年になってクラスが分かれ、以前のように話す事も少なくなった最近、千歳は寂しさを感じていた。 寂しいと気付くのにも多少時間が掛かったが、少女が近くにいない事が原因であると気付くと、自分の思いを自覚するのは早かった。 千歳の知る限り、少女には特別な男の存在。つまり彼氏はいないようだが、実際は分からない。 表立って目立つ存在ではない彼女の事が普段の友人との会話で出て来る事もなかったし、千歳から話題をふる事もしなかった。 たまに廊下で会った時に短い会話をする程度。 それが楽しくもあり、悲しくもあった。 お、次んバッターたいね。 グランドの少女は金属バットを握って何度か素振りをすると、バッターボックスへと入って行った。 痩せている訳でもなく、かといって太っている訳でもない少女。 やたらと背の高い千歳と並ぶと親子みたいだが、身長も全国女子高校生の平均くらいはあるだろう。 焦げ茶色の長い髪は、いつも控えめに一つに結んでいた。 言うなればごくごく普通の、どこにでもいる女子高生。 ピッチャーがセットポジションからウインドミルでボールを投げる。 ッキーン!! タイミングよく弾かれたボールは高く打ち上がり、今まで暇そうにしていた外野を守る女子は慌てふためいていた。 少女は猛ダッシュで一塁へと向かう。 転がるボールを急いで追いかける外野。 しかし焦れば焦るほど上手くボールが掴めない。 もたつく間に少女は悠々と三塁ベースでピースサインを披露していた。 運動神経はなかなか良い。 チームメート達から拍手喝采を浴びて、少女は嬉しそうに笑っている。 楽しそうな少女の姿を見れば見るほど、千歳は寂しさがこみ上げてきた。 「千歳~、お前こんなとこにおったんか。ええ加減体育館行かんと、そろそろ出番やで?」 「ああ、今行くたい」 教室の入り口からクラスメートが声をかける。 千歳はもう一度グラウンドの少女を見て、教室を後にした。 背が高いうえにテニスでは全国大会に出場するほど運動神経の良い千歳は、球技大会ではあちこちから引っ張りだこだ。 今回どの球技に千歳を出場させるかで危うく傷害事件が起こりそうになったHR中、仲裁に入った担任が公正を期すためにくじびきを行なった結果、バスケットボールに決定した。 のそのそと千歳が体育館に入ると、同じクラスでバスケに出場する友人達に囲まれた。 「いいか! 何があってもボールは全部千歳に回すんや! 千歳に回しとけば大概点入るからな!」 バシッ! 「千歳! 任せたで!」 バシッ! 「お前がおったら百人力や!」 バシッ!! 「……お前ら、ちっと力入れて叩きすぎばい。背中の腫上がるやん」 バシバシと乾いた音が響き千歳が顔をしかめていると、ギャラリーからは女子の声援が沸き起こった。 見ると相手チームがコートに入って来るところだった。 「なんや、千歳もバスケかいな。やりにくいなあ」 「白石」 中学からの同級生で、今でも同じ高校のテニス部に所属するテニス部部長の白石蔵ノ介が笑っていた。 「テニス部の男前対決や!」 「いや、うちの学校を代表する男前対決や!」 「千歳! 白石なんぞいてもうたれ!」 「アホぬかせ、白石はテニス部の部長やぞ、千歳なんかに負けるか。白石、遠慮すんなや!」 「ちょっと! 白石君に怪我させたらうちらが許さへんでっ!?」 「やっかましゃあ、きゃんきゃんウルサい雌犬どもが!」 「誰が雌犬やて!?」 「千歳君にもしもの事があったら、あんたたち覚悟しとき!」 「どいつもこいつも、白石にも千歳にも相手にされんのに色目使いやがって、脳みそ腐っとるんちゃうか~?」 「何やて~! もっぺん言ってみい!?」 バスケの試合が始まる前に、すでに場外で男子対女子の試合が始まろうとしていた。 それを尻目に千歳が笑う。 「ま、お手柔らかに頼むばい、白石」 そしてバスケの試合が始まった。 続く… 勢いで書いてしまった大阪四天宝寺。 意外と千歳の二次小説って少ないのかな? 大阪弁と九州弁のミックスで、苦手な方には申し訳ないです… ですが一話を短く区切ってるので、さらっと読めるかと(笑) 皆様の暇つぶしになれば幸いです! 次へ → 不完〜.2 ブラウザを閉じてお戻り下さいv 四天宝寺中トップへ戻る
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不完全燃焼、恋愛模様 「汐屋~!」 突然忍足が汐屋を呼ぶ。 ひょっこり向こうのテーブルから顔を出した汐屋と、千歳は目が合ったような気がした。 「どうしたの~?」 「ちょっと交代せえへん?」 「何を?」 「小春とユウジ、こっちに寄越して~な」 忍足の言葉をキャッチして、汐屋は自分の目の前で料理をがっつく異色な二人を見た。 「だって、二人とも」 小春は嬉しそうに立ち上がった。 「やだっ! 謙也ったら、あたしがいないから寂しいのねっ! 今すぐ行くわ、マイダーリンっ!」 「小春っ! マイダーリンは俺だけやどっ!」 慌ただしくこちらへ向かって来る小春と一氏を見ていると、千歳はいきなり席から落とされた。 ドサッ!! 「!? いった~。なんばすっとね?」 驚いて振り向くと、白石が楽しそうに手をヒラヒラと振る。 「行ってらっしゃい」 「は?」 「汐屋と二人で話してこい」 「え?」 忍足はしっしと追い払うような手つきで千歳に言う。 「話すって……」 「色々あるやろ? 思ってることぶちまけたれ」 「ーーーはあ……」 千歳は仕方なく立ち上がり、まだニヤニヤと笑う白石と忍足を尻目に汐屋がいる席へと向かった。 すれ違いざま小春に抱きつかれそうになったのをヒラリと躱し、一歩ずつ汐屋に近づく。 きまり悪そうに賑やかな店内をぐるりと見渡し、汐屋の隣りに立ってコホンとひとつ咳払いをする。 汐屋は千歳を仰ぎ見て反対側の席を指差した。 「どうぞ」 「ああ……」 気まずい空気が流れた。 千歳は先ほどの醜態を思い出し、そっと汐屋の様子をうかがう。 黙々と目の前のトンカツを食べる汐屋が、ふと顔を上げた。 「っ……なん?」 驚く千歳の目の前に、トンカツを載せた皿を汐屋が差し出した。 「熱いうちに食べんと、美味しくなくなるばい」 「あ、ああ。そうやね」 言われるままトンカツと小春達が置いて行ったステーキとスパゲティも食べはじめた。 先ほど汐屋が取り分けていたため、色んなものが皿に乗っている。 さながらミニサイズのトルコライスといった感じだ。 「あ、すみませーん」 近くを歩いていた店員を呼び止め、汐屋はご飯のお代わりを催促した。 その様子を見て千歳が尋ねる。 「汐屋、食べても太らんと?」 「え? いや、見ての通り、食べたら食べた分、お肉つくよ」 「太っとらんやん」 「ーーー千歳君、ほんなこつ優しかね」 「いや、嘘やないばい。女の子は気にしすぎったい。ガリガリの女の子なんか、可愛くも何ともなかよ」 「ふふ……ありがと」 そしてまた沈黙。 千歳はジュースを飲んで喉を潤した。 顔を上げると、白石と忍足がこちらを見てさも愉快そうに口の端をあげている。 あいつらーーー 「あのさ、汐屋……」 ここまで来たら言うしか無い。 千歳は腹を決めた。 「ん?」 「今日は、驚かせてしもたね」 「ーーーううん。別に……」 「俺ね、ちょっと落ち込んどったと」 「……何かあったと?」 心配そうに千歳を見る汐屋に、千歳は表情を緩めた。 「うん。俺、好きな子のおるとばってん、その子に好きな人がおるって勘違いしたったい」 「……うん」 「それで勝手にもう振られたばいって思って、すっげー落ち込んどった時に、あの子に告白されたと……」 そこで千歳は言葉を切った。 先ほど汐屋はお代わりした米が運ばれて来たのだ。 そして汐屋はそれを無言で食べ進めた。 続きは勝手に話せという意味なのかと解釈し、千歳は続ける。 「それで、もうその子は俺の事好きになることは無かって思ったけん、告白してくれたあの子と友達になって、気持ちを紛らわせようち思ったと……ばってん、失敗やった」 「ーーーそうやったと……でも、振られたて思ったけんって好きでもない子の告白を受けたら、その子に失礼やなか?」 「分かっとる。やけん、付き合うのは出来んって最初に言うたよ。ばってん、あの子が友達になってくれって真剣に頼むけん……」 思い出しながら千歳はどんどん落ち込んで行った。 自分の事を好きだという相手に、例え友達としての付き合いでもOKしたという事は、その先にもしかしたら付き合えるかもしれないという希望をちらつかせる事になってしまうのだ。 そんな事にも頭が回らないほど、自分はショックを受けていたのだ。 「俺は情けなか……好きやったら、例え好きな子に好きな人がおっても好きで居続けるんは悪いことでもなんでもないとにーーー早く諦めんといけんって、そればっかり考えて……」 「千歳君……その人の事、真剣に好きとやね」 じっと噛みしめるように話す千歳に、汐屋が優しく微笑む。 いつの間にか汐屋は手を止めていた。 千歳はそんな汐屋の笑顔にあたたかな気持ちになる。 「ああ、真剣に好いとる……汐屋……俺は、お前ん事、好いとるよ」 「え?」 汐屋は千歳を凝視した。 「多分2年生の時から好いとった。すごい好きやって気付いたんは最近やけど、本気で好きやけん……お前はいつも誰の間にも分かりにくい壁作って距離置くやろ? 汐屋の過去に何があったかは知らん。でも俺は、壁がない汐屋の本当の笑顔が見たか……こんな馬鹿な男やけど、好きって気持ちは本当やけんーーー本気で、すっげー好き」 「千歳君ーーー」 ふと握っていた箸を置き、汐屋は俯いた。 それに千歳は動揺する。 もしかして、余計な事を言ってしまったのではないか。 告白するには、まだ早すぎたのではないか。 そんなことを考えていると、汐屋は困ったように言った。 「私、千歳君にそげん好きって言ってもらえるような女やないばい。千歳君や白石君が言うようにいつも壁作って、人と距離ば置いて……自分ば傷付けんようにってそればっかり……自分の事しか考えとらん、最低な女ばい」 「そげんことなか。汐屋は優しかけん、やけん壁ば作ってお互い傷付け合わんでいいように気を遣いよるとやろ? 俺じゃ汐屋の傷を癒してやれんかも知れん……ばってん、少しでも力になりたかと……駄目やろか?」 「駄目とか……そげんことなか。嬉しかよーーーでも……」 「でもはよかけん!」 急に大きな声を出した千歳に、汐屋はビクリと動きを止めた。 「俺が、汐屋の力になりたかと……俺は、自分の事しか考えとらんけん」 真摯な瞳で自分を見つめる千歳の優しい言葉に、汐屋は嬉しくなった。 人との距離を作る事になった出来事など、本当に些細な事なのに。 それなのに、こんなに自分の事を思ってくれる千歳を、好きだと思いそうになる自分が嫌だった。 何の取り柄も無い自分なんかを、こんなに素敵な人が好きになってくれるなんて、幸せだと思った。 「ーーー私……前みたいに笑えるようになるやろか?」 「ーーー俺が笑わせてやる」 「思いっきり、楽しんでもいいやろか?」 「ーーー俺が、皆と一緒に楽しませてやるけん」 「……壁を、無くせるやろうか?」 「汐屋が望むなら、そげんこつ簡単たい」 「ーーーありがとう、千歳君……ありがとーーー」 最後に汐屋は嬉しいような、悲しいような、困ったような顔で笑った。 その笑顔は、千歳が今まで見た中で一番綺麗な笑顔だった。 自分の気持ちが届くかどうかは分からない。 でもきっと、いつか彼女が本当の笑顔で自分に笑いかけてくれた時、その時思いが通じ合う。 そんな気がした。 好きだと伝えた経緯はお世辞にも格好良いものではなかったが、好きな女のために頑張れるのはなんとも嬉しいものだ。 白石が言ったあの言葉、 惚れたら負けなんて嘘。 確かにそうかもしれない。 自分は情けない男で、好きな女の笑顔一つすぐに引き出せないちっぽけな存在だ。 それでも、そんな自分でも出来る事があると、やっと気付く事が出来た。 不完全燃焼だったこの恋は、新たな火種とともに再熱してくれる。 自分が、諦めない限りーーー END ☆あとがき☆(今回ちょっと長いですw) お、お疲れ様でした…… すみません、本当に最後までお読みくださり、ありがとうございました。 お題は「不燃かもね」でした。 なんでしょう。全然お題にそってない(笑) 本当はもっともっと短い、普通のショートストーリーにするつもりだったんです。 それが……何故? 今、管理人、完全に大阪四天宝寺にメロメロです(笑) そしてやっぱり千歳が一番好き。どうしても長身が好きかよっ!? と、自分で突っ込む。 千歳でかすぎますけどね、194? なにそれ、トーテムポール? あ。大阪弁は相変わらずの偽…(以下略w) それと、管理人今回楽しかった! だって、九州弁!! 管理人の地元は熊本にすげー近いんですけど(っつーか、ほぼ熊本?)、 千歳が熊本のどこの人か分からなかったんで方言かなり適当にしています。 しかしなんですかねー。テレビで聞く九州弁って、おかしいんですよね。 でもこの千歳役の声優さんはすごく上手でした! 初めてかも、あんなに自然な九州弁をアニメで聞いたの。 ですが、管理人地元で友達に「あんまり方言使わんよね」って言われてたんで、今回もちょっと自信ない(笑) っていうか、九州弁で文章書くのって難しいですねえ。 微妙なニュアンスが文字だと伝わらないです。しかも字を見てるとものすごい訛りに見える(笑) ちなみに、博多弁は今回書いている方言とまた違います。 「なにしてるの?」は博多弁だと「なんしよーと?」千歳達熊本方面では「なんばしよると?」もしくは「なんばしよっと?」 この場合、「しよる」の「よ」は小さい「ょ」にも置き換えられます。 この微妙な違いがあるんですねえ。九州地方ならどれを使っても通じるはずです。 ーーーーって、いやいやいやいや、九州弁講座じゃないよ。落ち着け、俺。 という事で、今回、千歳千里君のお話でしたが、お題どおり、読後に不燃な感じになっていただけたら幸いです(笑) ヒロインとは、きっとうまくいくでしょう。 それではまた、お会い致しましょう!
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完全燃焼(OCG) 通常罠 「完全燃焼」は1ターンに1枚しか発動できない。 (1):自分フィールドの表側表示の「化合獣」モンスター1体を除外して発動できる。 デッキから「化合獣」モンスター2体を特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。 (2):相手モンスターの直接攻撃宣言時に、墓地のこのカードを除外し、 除外されている自分のデュアルモンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターを特殊召喚する。 この効果で特殊召喚したモンスターはもう1度召喚された状態として扱う。 この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。 デュアル補助 モンスター除外 化合獣補助 帰還 罠 罠除外 関連カード 二量合成(OCG)
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デロンギオイルヒーター選び方 オイルヒーターメーカーでも最も有名な デロンギ オイルヒーターは、石油を使わないので 空気はきれいで乾燥もしにくいです また火が出ないので 赤ちゃんや幼児の家庭も安心です 部屋の暖め方は 全体をじっくり暖めるイメージです 石油ストーブやファンヒーターのように スピードは早くはないが顔がぽかぽか足は冷たい ってカンジではないです 暖房節約あると便利グッズ 他行振込み手数料0円貴重&定期金利も高い銀行 スマホ料金安くする方法 無料ゲーム クレジットカードランキング おいしいコーヒー土井 プリペイド携帯 人気のスマホグッズ
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完全燃焼鬼神「清正」P 火 (8) クリーチャー ヒューマノイド/ハンター/エイリアン/サムライ9000 ■進化-自分のヒューマノイドまたはハンター1体 ■自分のクロスギアをジェネレートしたとき、このクリーチャーにコストを支払わずにクロスしてもよい。 ■このクリーチャーが攻撃するとき、このクリーチャーにクロスされているクロスギア1枚につき、相手のパワー5000以下のクリーチャーを1体破壊する。 ■W・ブレイカー ホワイト 名前 コメント
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I
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下郎を閉じ込めた部屋に配置しておきたい一品。 おのれ下郎 ハロゲンヒーター おのれ下郎(字余り)